世界の12の先住民族の物語を紡いでいく旅。ドキュメンタリー映画「響き 〜RHYTHM of DNA〜」
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12の先住民族
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DNA
12の先住民族
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ABORIGINAL:アボリジナル
CELT:ケルト民族
ALASKAN TLINGIT:アラスカクリンキット族
HOPI:ホピ族
TAIWANEE HILLTRIBE:台湾の山岳民族
NATIVE HAWAIIAN:古代ハワイの先住民族
AINU:アイヌ民族
UNKNOWN:未知
HOPI:ホピ族
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ホピの予言

ホピのシールドシンボル。「すべての人種(黄、赤、白、黒)をひとつにまとめて大地と命のふたつを守り、このまるい地球のバランスをしっかり保つ」という意味。

 「その時」が来る前に、地面から、人々の頭と心を惑わす不思議な霧が立ち昇る。

 知識や知恵は何も教えてはくれず、創造主の教えは人々の頭の中から消し去られるのだ。

 子どもたちは暴れ出し、大人の言うことを聞かなくなる。

 欲深い争いと無秩序が横行する。そして、人々は残虐に殺し合う。

 しかし、太陽よりも明るく輝く「灰が詰まったヒョウタン」によって、このような時代は幕を閉じるのだ。

 地球は4度ひっくり返り、人類は最も深い暗闇の中で、永遠に四つんばいになって這いずり回ることになる。

 〜ホピの予言より〜

 この予言はあまりにも有名だ。

 「灰が詰まったヒョウタン」は、日本の広島と長崎に落とされた原子爆弾を表していて、ホピはそれを予言していた。

 響き第4章ホピ編は、彼らの古の先祖が子孫に伝えて来た「予言」を紡ぐ旅になるだろう。

 では、ホピが言う「予言」とは何か?

 彼らの歴史、言い伝えを勉強しているうちに、あることに気づく。

 これは「予言」でもあるが、ホピの先祖が子孫繁栄の為に残して来た「生きる知恵」ではないだろうか。

 そして、ホピの予言はこのように続く。

 人々の心がすさみ、賢人の言葉に耳を傾けなくなると、「その時」は来る。

 〜ホピの予言より〜

 賢人、つまり先祖の言い伝えを今に伝える者、その言葉は、「知恵」であると言えよう。

 「知識」と「知恵」は大きく違う。

 知識は、頭で学ぶもの。しかし、知恵は、実体験し学んで来たもの。

 知恵には「痛み」が伴っているのだ。

 だから、僕たち人類の先祖は、その痛みの教訓から、子孫の繁栄を願い、人が生きてゆくに大事な真理を、気の遠くなるような歳月をかけて、伝えて来た。

 「予言」は、「知恵」

 現代社会の歪み。あらゆるもののリズムが狂い始めた。

 それは、私たちが、先祖代々から伝わって来た「知恵」を失ったからではないだろうか。

 ドキュメンタリー映画「響き 〜RHYTHM of DNA〜」のはじまり。それは、2011年3月11日。東日本大震災。多くの命が津波に呑まれた。

 しかし、遡ること100年。その間にも大きな津波が日本各地を何度か襲っている。そして、それを経験した先祖は子孫の私たちにメッセージを残してくれていた。

大海嘯記念碑に書かれている内容 昭和九年に岩手県宮古・田老を大津波が襲った。

 私たちの先祖は津波の到達地点に、「大地震の後には津波が来る。地震があったら此処へ来て一時間我慢せ」、このようなメッセージを刻んだ「大海嘯記念碑(たいかいしょうきねんひ)」を立てて、子孫がこれ以上先へ居住を構えないように警告してくれていた。

 しかし、先祖が残してくれた大津波の教訓は時と共に薄れていって、海辺の近くに人々は家を構えるようになった。どんどん大きな街になっていく。

 そして、東日本大震災、、、

 田老の人々は、それまではほこりをかぶって色あせっていた「大海嘯記念碑」を今後の教訓へと大事に認識するようになった。

 私たちは、「過ち」を繰り返してはならない。

 今、私たちに出来ることがある。

 それは、この時代に学んだ「痛み」を「知恵」に変換し、私たちの子孫に伝えてゆくのだ。

 「知恵」は、今を生きる私たちにも創造出来る。そして、私たち先祖がそうしたように、私たちも子孫繁栄を願い、伝えてゆくのだ。

 ドキュメンタリー響き「響き 〜RHYTHM of DNA〜」は、これまでの先祖が残して来た知恵を探し出して、今の世界に残し、そして、次の世代へ伝えてゆく「旅」である。

 第4章ホピ編は、響きプロジェクトの核心に迫るものになるだろう。

平和の民

ホピとは、「平和」、「平和に満ちた人々」を意味する。

フォーコーナーズ地域

 アリゾナ、ユタ、コロラド、ニューメキシコの4つの州が交わるフォーコーナーズ地域を、ホピは数千年にわたって移住をくりかえし、現在の場所に約千年前に定住したとされる。

 高原砂漠地帯の標高約1,800メートルのメサ(高台という意味)と呼ばれる台地の上に12の村がある。人口は約一万人。

 トウモロコシを主食とする農耕民。

 

 ホピの祈りに、

 私に智恵を授けてください。あなたが人々に語ったことが理解出来ますように。
 私は強くなりたいのです。人より強くなりたいのではなく
 我が最大の敵である、自分自身に立ち向かう強さが欲しいのです。

 〜ホピの知恵の祈り〜

 が、ある。

 また、ホピの教えに、

 ・尊敬されるには、それにふさわしい行いが必要。

 ・心こそが、あらゆるものを動かす「大いなるテコ」

 ・信念の確認作業に、先祖の叡智が必要。

 など、今に伝わる多くの教えには、人々が大自然の一部として、真に豊かに生きる知恵が詰まっているのだ。

 ホピがなぜ、平和の民で居続けられることが出来たか?

 それは、先祖代々から伝わって来た知恵を大事に、そして実践しているからではないだろうか。

 ホピは、もはや部族というより、存在自体が世界平和そのものであり、象徴と言えよう。

カチーナ信仰

カチーナ ホピを語るに、カチーナの存在なしでは伝えられないくらい、彼らの社会に深く根付いている。

 カチーナとは、万物に宿る精霊のこと。動植物、雨や風などの気象、神々。その数は300種類にも上る。

 人々が偉大な精霊マーサウとの約束を守り、良き心で暮らすよう、すべての均衡が保てるように助ける存在。

 仮面と衣装をつけて踊るカチーナ・ダンスが、季節に応じて、規則正しく行われる。

 また、マーサウとは、グレイト・スピリット(偉大なる精霊)の化身で、ホピに予言を授けたとされる。

 グレイト・スピリットと交わされた「大地を守る約束」を守り通すことが、ホピの唯一の法であり信条である。

 ホピは、大地と契りを交わし、農作物を育て、自然と宇宙のサイクルに従い、世界のバランスを保つために、宗教儀式を執り行い、祈りを捧げる。

 ホピの口伝には、世界がこれまでに3回浄化されたとしていて、人類が自然の掟に従わず、大地といのちへの尊敬と感謝を忘れるようになれば、再び、「偉大なる浄化の日」を迎えるだろうと、教えている。

予言の岩 これを大きな岩に刻んだものを、今では、「予言の岩」と呼ぶ。

 先述の、日本の岩手の宮古に建っている「大海嘯記念碑(たいかいしょうきねんひ)」も、ある意味「予言の岩」なのかもしれない。

 ホピのメッセージは、今の人類に対しての警告でもあろう。

 ホピの知恵は、こうも教えている。

 ・柵は権力の象徴。土地に線を引くではない。そして、土地という概念が、人類を貧困に追いやるだろう。

 ・グレイト・スピリットがもたらす平和か、政府の警察が作る平和か。

 ・もしあなたの家が美しく輝き、豪華な食べ物で溢れていても、家族(人)に分け合う優しさがなければ、ただの箱だ。

 これらのメッセージに触れて、私たちはとても大事なことであると、誰もが分かる。違和感のない教えだ。

 遠いホピの地で古から受け継がれて来たメッセージが、どうしてこんなにも、現代の私たちに受け入れられるんだろうか?

 それは、私たちのDNAに刻まれた古からの記憶であり、人類の普遍が、そこにあるからではないかと思う。

 今、私たちが、先祖が残してくれた知恵を取り戻し、どう思い、どう行動するかで、これから先の地球の運命が決まるだろう。

 私たちがやらねば、誰が良き世界を築き上げることが出来るだろうか。

 子孫に優しい地球を残してゆこう。だって、私たちもやがて「先祖」になるのだから。

取材コンセプト

ホピの言葉に、「恐れを知らぬ小さき者が山を動かす」がある。

これまでの、第1章アボリジナル、第2章ケルト民族、第3章アラスカ・クリンキット族の取材も、奇跡が連続して起きて来て、それを可能にした。

それは、祈りであり、神様との対話から紡がせて頂いたメッセージである。

しかし、今回のホピの取材は、響きが取り上げる世界の12の先住民族の中でも、もっとも困難な取材になるだろう。

なぜなら、響き第4章ホピ編のメインの取材地である、ホピの居留地では、一切の撮影が認められていない。スケッチも、メモも取ってはならない。

そんな現状のなか、響きはホピのメッセージを紡ぐことができるだろうか。

チャレンジだ。

一切の結果に依存しない旅が、響き。だからこそ起こる奇跡、神様からの贈り物。

明日、地球が滅びるのを知っていても、響きは、帆を高らかと揚げ、希望という風を掴む為に、航海をはじめる。

すべてを天に委ねよう。

この歪みの時代を、良き世界にしてゆくには、古の先祖から今の子孫に伝わる、人類の叡智が必要だ。

それをこの時代に残し、次の世代につないでゆく。それが響きのミッションである。

響きはドキュメンタリー映画というジャンルの作品ではなく、子孫へつないでゆく叡智のメッセージなのだ。

その信念にすべてをかける。

ホピの言葉、「恐れを知らぬ小さき者が山を動かす」

響きは、この「小さき者」になれるかどうか、、、神のみぞ知る。

響き第4章ホピ編のコンセプトは、「平和」と定める。

これだけを、決めよう。

「HIBIKI 第4章 〜ホピ〜」英語版撮影企画書 >>> ダウンロード(PDFファイル)
HIBIKI Color 赤:太陽 黄:月 白:宇宙 これらの色を合わせて「世界」を意味する。